臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
VII.代謝・栄養障害
2.糖尿病治療の問題点
肝腎障害を有する糖尿病の食事療法
池田 義雄
1
1慈恵医大第3内科
pp.2038-2039
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208245
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はじめに
糖尿病の食事療法は各人にみあった適正な1日総カロリーと,その範囲内での栄養素のバランスをとることにより,インスリン作用不足に基づく代謝異常の正常化と血管合併症の予防と進展阻止を目標にしている.糖尿病治療のための食事療法は,他の疾病における治療食と異なり,健康食・保健食として誰にでもすすめられる内容をもっているといってよい.
食事療法の基本とその実際については,日本糖尿病学会編「糖尿病治療のための食品交換表」(南江堂)に,わかりやすく解説されている.しかし,それはあくまでも一般の糖尿病を対象にしたものであり,特別な合併症や余病の併発がみられる場合には,食事療法の指導に際して,またその実際において,特別な工夫と配慮が必要となる.なかでも肝障害や腎障害は,それぞれ独特の治療食が用意されているため,糖尿病にこれらの異常が併存した際の食事療法については,日常臨床上いかに対処すべきか,ときにとまどいと混乱がみられている.
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