今月の主題 リンパ組織の基礎と臨床
リンパ節の構造と構成細胞
小島 瑞
1
,
佐久間 秀夫
2
1福島医大病理学
2福島医大病理学教室
pp.1186-1187
発行日 1976年9月10日
Published Date 1976/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206722
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構造と構成細胞
リンパ節はリンパ実質とリンパ洞より成り,これらは被膜に被われ,また,被膜より派生した梁柱によって不完全に細区分される.被膜を貫通した輸入リンパ管は辺縁洞となり,中間洞,髄洞を経て輸出リンパ管として門部よりリンパ節を出る.リンパ洞は洞内皮で被われ,内腔は内皮細胞索によって粗な網状構造を呈する.リンパ実質を被う洞内皮はおおむね扁平で,一層の線維性基底膜によって実質と境され,細胞相互はtight junctionによって接合している.しかし,辺縁洞の洞内皮間には大小の間隙があって,これらの間隙からリンパ球や組織球が洞内に遊出する像にしばしば接する.洞内を架橋している内皮細胞は胞体内に細線維を抱え込んでおり,実質側の内皮に比べて胞体,核ともに腫大し,貪食能も旺盛である.したがって洞内の食細胞には,内皮細胞性の食細胞と実質より遊出した単離組織球の2種類が存在することになる(図1).
リンパ実質の支持組織は豊富な血管網とその間隙を細網状に分布する細膠原線維束より成り,細線維束は細網細胞に接着あるいは抱え込まれている.細網細胞は多突起紡錘形で,洞内皮細胞と同じくペルオキシダーゼ反応陰性である.
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