グラフ X線造影のみかた
消化管・5
大腸—とくに陥凹性病変
西沢 護
1
,
狩谷 淳
2
1千葉県がんセンター診断部
2千葉大・第1内科
pp.1174-1180
発行日 1974年9月10日
Published Date 1974/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205573
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大腸のX線診断については,充満像がよいか二重造影像がよいか,またレリーフ像がよいかなどという論議は,すでに過去の論点になった.もちろん,個々の検査法について,時により選択すべき要素は残されているが,その診断がいかに正確かという点については,二重造影法が最もすぐれた検査法であるという客観的事実はできあがっている.またそれでなくては,内視鏡診断とその診断価値を競い,対比すべくもない.
大腸の二重造影法はFischer(1923)1)により,胃よりもかなり古くから開発されていたにもかかわらず,それほどの評価を受けていなかった.その後,Welin(1955)2)により,すでに改良すべき余地がないと誰しも考えるほど,すばらしい二重造影像が示され,大腸の二重造影法の位置は決定的なものに高められた.
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