今月の主題 臨床心電図のキーポイント
見誤りやすい心電図所見
心筋硬塞と特発性肥厚性心筋症
金沢 知博
1
,
三浦 傳
1
,
佐藤 孝雄
1
1秋田大第2内科
pp.590-593
発行日 1974年5月10日
Published Date 1974/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205421
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特発性肥厚性心筋症は通常心室壁(ことに左室)が肥厚しているが内腔閉塞のない非閉塞型と,左室壁とともに室中隔の肥厚がとくに著明で左室流出路の狭窄をきたす型(Idiopathic Hypertrophic Subaortic Stenosis;IHSS)で代表される閉塞型に分けられる.いずれも心電図上高度の左室肥大所見を呈するが,弁膜疾患や高血圧心などにみられる肥大所見と少なからず傾向を異にし,異常Q波や高度のST-T異常など心筋硬塞類似の所見を伴うことが多く,心電図所見のみからではそれらを鑑別することに困難を感ずる例が少なくない.
以下症例を示し,少しく解説を加える.
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