今月の主題 酸・塩基平衡異常—その日常臨床とのつながり
腎と酸・塩基平衡異常
腎不全
杉野 信博
1
,
鈴木 潤
1
,
下村 旭
1
1東女医大・内科
pp.178-181
発行日 1974年2月10日
Published Date 1974/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205298
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はじめに
代謝により生じた酸を排泄する経路としては,緩衝系(血漿ではHCO3-が主体)により結合された過剰の酸(H+)は,代謝過程を通って(たとえば細胞,組織中にある炭酸脱水酵素〈CA〉によりH++HCO3-→H・HCO3→H2O+CO2)大部分,腎,肺より排泄され,体液は一定の酸・塩基平衡を維持している.最も重要な血液のpHは血中の重炭酸(HCO3-)と炭酸(H2CO3)の比率により定まるもので,この比率は通常20であって,pKが6.1であるから,pHは7.4となり,この値はほとんど動かないように調節されている.
Henderson-Hasselbalch式
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