今月の主題 新しい臓器相関のとらえ方
臓器相関からみた症候群
腎と肺
岡安 大仁
1
1日大第1内科
pp.58-59
発行日 1974年1月10日
Published Date 1974/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205269
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腎と肺の関連は,腎と心あるいは肺と心のように,その相関性が機能的に表面化していないことなどもあって比較的に軽視されてきたようであるが,腎と肺はともに血中の不要成分の排泄器官としても,とくに体液の酸・塩基平衡の調節など健常および病態時ともに強い相関をもっている.しかし,ここではこれらの相関性を述べるのが本旨ではないので,腎と肺の双方に関連する疾患をとりあげ,臓器相関の立場から眺めるにとどめたい.
腎と肺に病変がわたるものという広いとらえ方をすると,膠原病を初めとして,代謝性疾患,腎疾患,感染症,悪性腫瘍,血管疾患,その他きわめて多岐の疾患が包含されることになるが,狭義の症候群としては,Stanton(1958)の提唱したGoodpasture症候群である.しかし,Overholt(1965)1)などはAcute pulmonary-renal syndromesとして症候群を広義にとらえており,さらに最近のGoodpasture症候群に対する免疫学的知見には画期的なものがあるので,これらの観点に立ってみると,肺-腎相関疾患の主なものは次のようになるといえよう.
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