くすり
小児とくすり
橋本 政章
pp.794-795
発行日 1973年6月10日
Published Date 1973/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204794
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はじめに
小児,特に2年未満の乳幼児では意外にすんなりくすりをのんでくれる場合が多いが,どうしてものんでくれません,と母親の訴える場合も少なくない.剤形は主にシロップであるが,散薬ならよくのむがシロップはダメという子にも時に遭遇する.しかし,くすりがどの程度必要であろうか.近来外来を訪れる子ども達は,少なくとも都会地では軽症あるいは生理的反応程度の,むしろそのまま経過をみたいようなものが多い.事実くすりを3日分与えても母親の選択で残してしまう場合が多いようだ.そんなときくすりをのまないからといって注射をすることは,心理的影響も考えて小児科医としては諒承し難いことだ.
こんな観点から平常子どもとくすりについて考えている所を述べてみたい.ただしこれはあくまで臨床第一線外来の比較的軽症児の多い診療についてであり,重症入院児については別の扱い方があり,ここでは触れない.
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