今月の主題 新鮮脳卒中
診断
一過性脳虚血発作の臨床上の問題点
塚越 広
1
1東大脳研神経内科
pp.39-41
発行日 1973年1月10日
Published Date 1973/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204553
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脳血管障害は,その発作頻度と死亡率が高く,後遺症が重症であることから,医師のみならず一般の人の重大な関心を集めている.一過性脳虚血発作は血管発作としては軽症であるが,その後の脳硬塞発作を予告するものとして注目をあびてきた.本発作は脳血管発作として新らしくとりあげられてから未だ日が浅く,なお不明な点が少なくない.今回は本発作の診断上の問題点をさぐると共に,その頻度,予後などについても若干ふれてみたい.
一過性脳虚血発作の中には,広義には全身的な血圧低下に伴う失神発作や片頭痛も含まれるが,ここではこれらは問題とせず,局所性一過性脳虚血発作のみをとり上げることにする.
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