Editorial
血尿
大越 正秋
1
1慶大泌尿器科
pp.725
発行日 1972年6月10日
Published Date 1972/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204105
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血尿が出たということをきっかけにして,いろいろの情報が得られる.ことに他に症候のない疾患の場合の発見端緒としてはなはだ重要であり,なかでもそれが悪性腫瘍のような場合はなおさらである.
素人が血尿だといってもそれは単に尿が濃い場合その他があるので,あてにならない.医師がみて血尿かどうか肉眼的にわかる限界は普通1l中に1-2ml(0.1-0.2%)血液が混じった場合である.したがって辛じて血尿とわかる程度なら1日2ml前後,明らかにそれとわかる場合でも4-5mlしか出ていないので,血尿による失血はあまり大きいものではないといえよう.
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