全身性疾患と心電図
代謝異常と心電図
宮下 英夫
1
1帝京大内科
pp.354-356
発行日 1972年3月10日
Published Date 1972/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204029
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"代謝異常と心電図"を考える場合,何らかの代謝異常がどのような変化を心電図にもたらすかという面と,ある種の特徴的な心電図変化から,何らかの代謝異常を推定できるかという面とがある.このうち特に後者の面が臨床的には重要であり,この意味で問題にされるのは,電解質代謝異常であろう.もちろん電解質代謝異常も,flamephotometerで測定すればわかるわけであるが,心電図はもっとも簡単にその様相を想像できるという意味で見逃がすわけにはゆかない.またときには,高K血症の場合のごとく,直接,心停止と直結する危険のあるような場合には,電解質の測定に先行して心電図がとられるべきである.
今日では,電解質代謝異常と心電図変化については周知の事実としてみとめられているが,実際の臨床上にはまだまだ不明の点が少なくないしまた最近の心疾患の治療の進歩とともに新たに注意すべき点が少なくない.次に電解質代謝異常,ことにKの異常について注意すべき点を含んだ2症例をあげる.
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