内科専門医のための診断学・24
高脂血症
五島 雄一郎
1
1慶大内科
pp.1901-1906
発行日 1971年12月10日
Published Date 1971/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203937
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高脂血症の概念
高脂血症hyperlipemiaという言葉の概念には現在いろいろ混乱がある.
1961年Ahrensによって,高脂血症の成因がfat inducedlipemia(脂肪起因性脂血症)と,carbohydrate induced lipemia(糖質起因性脂血症)とに分類が可能であるとの報告から,1965年Fredricksonらによってhyperlipemia(高脂血症)の広範な総説が発表されて以来,従来からの定義あるいは用語面からの混乱が著しくなった.また血清脂質が主としてリポ蛋白として存在し,それぞれの濃度の増加が脂血症の原型であるとして,高リポ蛋白血症hyperlipoproteinemiaという名称もFredricksonらによって提唱された.またFurmanらのごとくコレステロール,リン脂質,中性脂肪などの血中脂質の増加している状態の総称として高脂質血症hyperlipidemiaとよぶものもあり,さらに脂血症の成因から内因性,外因性(endogenous,exogenous)とに分ける名称もHavel, Kuoらによって提唱されている.
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