臨時増刊特集 身体所見のとり方と診断のすすめ方
●小児の身体所見のとらえ方
XXI.口腔所見と消化器症状
3.下痢
加藤 英夫
1
1順大小児科
pp.957-958
発行日 1971年5月20日
Published Date 1971/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203700
- 有料閲覧
- 文献概要
下痢を見たら十中八九は乳幼児下痢症であろうとしてよいが,細菌検査を必要とする時がある,すなわち発熱があって原因がはっきりしない時,血便,膿,粘液便があって便しぶりがある時はぜひ検便し,病原菌,特に赤痢菌の有無をしらべておく.
小児の下痢では当然全身を診ることが必要であるが,特に腹部の痛みの有無,その部位,脱水症の有無を腹部の触診で判定する.なお,下痢症では,その原因と重篤さを知ることが本当の意味の診断でもあるので,感染症の有無,先天性の異常あるいは体質傾向も観察することが必要である,これらが原因となって下痢症がおこっていることが多いし,その原因を除くことが治療の第一歩でもあるからである.
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.