臨時増刊特集 身体所見のとり方と診断のすすめ方
●身体所見のとらえ方
IX.陰部とその周辺
1.男性性器とその周辺—B.皮膚科の立場から
西山 茂夫
1
1北里大皮膚科
pp.838
発行日 1971年5月20日
Published Date 1971/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203673
- 有料閲覧
- 文献概要
びらん性変化
男性骨器の病変としては亀頭部のびらん性ないし潰瘍性変化が最も問題となる.頻度の多いものは固定薬疹であり,この場合には問診が大切であるが,とくに再発性のびらんではまず薬疹を考える必要がある.時には亀頭だけではなく,口腔粘膜,皮膚(紅斑)にも生じ、重症の場合には,いわゆる皮膚粘膜眼症候群の形を呈する.もしびらん性変化が普通の治療で4週以上治らない場合には天疱瘡の疑いが濃く,組織検査が必要となる.
再発性のびらん性変化には陰部疱疹があるが,この場含には半米粒大くらいの円形のびらん面が重なり合って.線状ないし帯状を呈することが多い.しかし包客があれば混合感染によって広い範囲のびらん面となることがある.
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.