救急診療
乳幼児の薬物誤飲
中條 俊夫
1
1国立小児病院外科
pp.1768-1771
発行日 1970年12月10日
Published Date 1970/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203424
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文明が進むにつれ,家庭の毒物の数も増加し,小児の毒物・薬物誤飲は増加する傾向がある.1歳より3歳頃までの幼児は好奇心が強く何でも口に入れ,一回口にしたら飲み込んでしまうものであり,特に中毒が多い.小児の薬物中毒は人災であり,親および医師の不注意でおこるものである.小児は,手の届くものは必ず口にすると考えてよい.化粧品,洗剤など容器はきれいに,医薬品は甘く飲みやすくなり,また,団地生活で小児から目を放しやすくなったので誤飲の機会も増加している.親は毒物を小児から遠ざけ,医師は一度に多量の投薬をするさい,親に十分注意する必要がある.
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