話題
注目されてきた"膠原病性疾患における肺病変"—第13回日本リウマチ学会総会(5月16-17日・東京)から
川上 保雄
1
1昭和大内科
pp.1018
発行日 1969年9月10日
Published Date 1969/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202797
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リウマトイド因子をめぐる諸問題
学会前日に行なった特別討論会において「リウマトイド因子をめぐる諸問題」をテーマとしてとりあげた.Waaler-Rose反応として慢性関節リウマチ患者血清中にみられる特異な反応因子は,はじめはその診断的意義にのみ重点がおかれた.しかしその後の研究によりこのものが主としてγMに属する免疫グロブリンであり,しかもたぶん生体内に生成せられた抗原抗体コンプレックス,あるいはなんらかの病気によりdeformしたγグロブリンに対する抗体であることが判明し,免疫化学ないし免疫血清病理学におけるきわめて興味ある研究テーマとなっている.この討論会ではIgMそのものの基本的性状,リウマトイド因子(RF)と反応するIgGの性状あるいはRF生成の条件などに関する問題が論議された.Miligrom教室の狩野博士より腎移植を行なった場合にRFの発生が高率に認められ,特に移植腎がrejectされるころに著明になることが報告され興味をよんだ.これは移植腎に対し抗腎抗体が生成せられ,この抗体は移植腎に吸着せられ抗原抗体複合体を作っており,それに対しさらにRFが発生結合しているが,移植腎がrejectされ摘出せられると血中に抗腎抗体,RFとも著増するにいたる.
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