メディチーナ・ジャーナル—日医
"完全診療月間"—ただ今第1次行動中
木島 昂
pp.230
発行日 1969年2月10日
Published Date 1969/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202564
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邪推とタメライ
今年1月1日を期して,日医会員はいっせいに"完全診療月間"に入った、これに対して厚生省や,健保連・日経連など支払者側は"完全審査月間"というコトバを案出し疑惑と抵抗の姿勢でかまえている.また,一部の会員の中には,"今さら完全とは……われわれは以前から完全に診療している"というちゅうちょの声もたしかにある.
前者は保険診療をただ前時代的な経済面だけでしいてとらえようとする目,ことに社会保険の独占資本を死守しようとする目でこれを見つめている.もっとあからさまにいえば,濃厚診療による保険経済破綻を邪推する目だ,一方後者は,真しな実地医家ではあるが,即自的な完全診療の視野にとどまり,社会構造や科学の変革につれて医療保険がどう改革されなくてはならないか,歴史と未来をふまえた広視野に欠けたためのタメライである.もちろん前者とは本質的に異質のものではある.
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