EDITORIAL
糖尿病に対する考え方
葛谷 信貞
1
1朝日生命成人病研究所
pp.145
発行日 1969年2月10日
Published Date 1969/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202540
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糖尿病とは何か,糖尿病のあらわす内容は時代によって,またそれを考える人の立場によって異なっている。
糖尿病はdiabetes mellitusの訳であるが,このdiabetes mellitusという名称は18世紀以後の名称である。現在の糖尿病に相当すると思われる病気の記載はEbers Papyrus(紀元前1500年ごろの書物)の中にみられるとされ,紀元2世紀ごろのAretaeusやGallenの著書中にはdiabetesという名称で記載されている。慢性の経過をとり,急に増悪して,不思議な症状(煩渇,多尿)を示して死亡する病気とされ,病因の考察も行なわれている。
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