治療のポイント
乳児の感冒性消化不良症—診療のコツ
中村 兼次
1
1関東逓信病院小児科
pp.54-55
発行日 1969年1月10日
Published Date 1969/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202510
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感冒性消化不良症とは
乳児の急性消化不良症(下痢症)は,栄養の過誤,暑熱,感染,体質,アレルギーなど各種の原因で起こるとされる.しかし,何といっても日常最も多いのは感染によるものであろう.感染性の下痢には病原大腸菌,サルモネラ菌,赤痢菌などで起こるものもあるが,感冒性消化不良症とは,感冒と同時あるいは回復期に下痢症を起こす場合をいう.かつては乳児の下痢は梅雨期から初夏にかけて多くみられ,死亡率も高位にあったが,近年では,生活レベルの向上の故か,夏の下痢症は激減し,代わりに冬の感冒性下痢症が圧倒的に多くなってきている.
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