診断のポイント
出血時間延長
山田 外春
1
1三重大第2内科
pp.49-51
発行日 1969年1月10日
Published Date 1969/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202508
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まず栓球減少症を考える
出血時間の延長をみたとき,まず考えねばならぬ病態は栓球減少である.かかる場合,臨床症状として皮下出血,歯肉出血,鼻出血,血尿などが見られるのであるが,特に皮膚および粘膜の点状出血斑に注意することがたいせつである.また女性の場合には往々子宮出血が起こり,特に月経に引き続いての出血が著しい場合があり,また男女共に消化器,呼吸器,胸腔,腹腔その他あらゆる臓器に出血が起こりうるし,脳出血が直接死因となることが少なくない.栓球減少症においては,Lee-White法で測定した凝血時間測定後の血餅の退縮の不良なことが認められ,栓弾図(TEG)にてmaが減少している.
この栓球減少症は本態性栓球減少性紫斑病(ITP)と症候性栓球減少症に大別される.
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