くすりの効きめ・9
β受容体遮断剤(3)
鈴木 哲哉
1
1実中研
pp.1086-1088
発行日 1968年9月10日
Published Date 1968/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202367
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β遮断薬の構造
図1にβ受容体の遮断薬を新旧とりまぜて並べてみたのだが,このうちアゴニストであるイソプロテレノールはべつとして,実際発売されているのはプロプラノロール(インデラール・住友)ただ1つである.もっとも別枠にしたイプロベラトリール(ワソラン・エーザイ)もβ遮断作用をもつといわれているが,構造式がほかのものとかけ離れているから,ここでは割愛することにしよう.
D. C. I. はイソプロテレノールと構造が酷似していることがおわかりと思う.もともとイソプロテレノールの拮抗剤としてつくられたものだが,β受容体に対してはときに抑制するが,ときにこれを刺激する.つまりβアンタゴニストである一方,βアゴニストでもあるために動物実験にはさかんに使われたが,ついに人の治療薬として使われることはなかった.
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