第一線の立場
医師の自覚とともに患者の教育を/大学の医学教育に対する第一線臨床医としての所感
中山 善夫
1
1市原市立加茂病院
pp.1608
発行日 1967年11月10日
Published Date 1967/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201996
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わが国の医療保険は,医療給付率の増加によりここ数年来財政は悪化するばかりである。
特に,政府管掌健康保険(以下政管健と略記)の赤字額は昭和42年度で累積1,800億という莫大な数字となる公算が大きく,政府はそれが対策として,国庫から225億を支出し(41年度は150億)同時に本人に負担させることを考え,(1)健保料率を定期給与の1000分の65から73に引上げる。(初め諸種手当を含む総所得にこの率をかける腹づもりだつたらしいがあまり露骨なので各方面から反撃をくい沙汰やみになつたいきさつがある)。(2)初診時の本人自己負担を100円から200円,入院時1日30円を60円に引上げる,(3)薬剤本人定額(15円)負担などの健保臨時特例法案を打出した。これは政管健を対象としているが,おいおいと他の社健保,共済保などに波及することは容易に想像される。政府はこの法案を臨時国会,会期延長などを経てかろうじて衆院をとおし,10月1日より実施の運びとなつた。
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