わが国の医療施設数

　厚生省では毎年年末現在で，皆さまがたの病院や診療所に調査票をお配りして，医療施設調査を行なつておりますが，これはその分布と整備の実態を明らかにし，医療行政の基礎資料を得るためのものであります。つぎに昭和40年末の結果の一部と，この10年間の医療施設の動きを記すことにします。

　全国で病院は7,047ありますが，そのうちの84.2％は一般病院5,922で占められています。このほか精神病院725，結核療養所340，伝染病院46，癩療養所14などとなつています。また一般診療所は6万4524で，そのうちの42.4％にあたる2万7332が有床であります。なお，歯科診療所は2万8602となつています。1施設当たりの国民の数は，病院が1万3946人，一般診療所1,523人であり，両者を合わせますと，1施設で国民1,373人の割合となります。病院数は年々増加してこの10年間に1.38倍となりましたが，病院の種類によつて増減傾向は異なつています。近年における疾病構造の変化を反映して，精神病院は2.79倍という増加ぶりがめだつていますが，結核療養所は10年前の半分と減つているのがこれと対照的です。なお，一般病院は1.45倍，伝染病院は0.63倍であります。また，一般診療所は1.26倍に増えていますが，なかでも有床診療所の増加がめだち1.56倍となっています。