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明年度医療関係予算要求の問題点
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pp.1780
発行日 1966年12月10日
Published Date 1966/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201599
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厚生省の来年度の重要施策は七つあるが,そのうち救急医療体制の確立,へき地医療対策の強化,医療保険制度の改善の三つの施策は医療関係施策である。あとの四つは生活環境施設の整備,公害対策の推進,保育所の整備,老人福祉対策の強化であるが,このように医療関係施策を三つも重要施策のなかにかかげたことは,鈴木厚相の医療問題に対する熱意のほどがうかがわれる。しかしながら,日本医師会も指摘しているように,その内容を見ると,わりあいに機械的な積みあげ作用が行なわれており,医学医術あるいは日本の社会経済的な背景を十分に考慮した適格な詰あを欠いているものがあるといえそうだ。
まず,救急医療対策費を見ると,救急医療センターとして市立センター3カ所と国立病院7カ所の整備費のほか,公立,日赤,済生会などの基幹病院の救急機能強化5カ年計画の初年度分100病院の医療機器整備費や,救急医療機器サプライセンター15カ所の整備費を新たに要求している。民間救急病院・診療所の整備は,医療金融公庫の資原を310億円に増額して,優先的に融資する方針である。ここ数年の懸案事項であつた救急病院・診療所に対する協力奨励費は,応援医師の謝金と空床確保の経費として,一施設当たり30万円弱の定額補助金を要求している。
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