特集 老人患者を診るとき
EDITORIAL
老人と薬
石原 国
1
1鳥取大・内科
pp.1393-1395
発行日 1966年10月10日
Published Date 1966/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201491
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老人に投薬するにさいしての注意
年をとると,循環器,消化器,脳神経,内分泌器,泌尿器など全臓器に老化現象が起こり,薬の薬理学的作用に重大な影響をきたすようになることは容易に想像できる。
従来,小児では成人に比べると薬の作用がしばしば相違することは検討されてきているが,老人と成人との相違はあまり報告されていなかつた。しかし近年人口は老齢化し,内科方面はもちろんのこと,一般外科においても老人の占める割合は多く,須藤らは一般外科患者の25%は65歳以上であると述べているほど増加したので,老人の薬剤効果とくに麻酔について深い関心がはらわれ,動物実験を初め臨床的にもかなり多くの研究がみられるようになつた。
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