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公的病床の規制基準の問題
pp.720
発行日 1966年5月10日
Published Date 1966/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201316
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公的性格の病床の新増設,病床種類の変更(たとえば,結核病床の一般病床への転移)についての制限は,昭和37年に改正された医療法にもとづいて昭和39年3月から実施されているが,この規制を行なう場合に各地域の必要病床数を算定するために設けられた基準は,昭和41年12月末までの基準である。なお,この基準においては,アメリカ合衆国が病院整備補助金交付のために制定している"ヒル・ベートン法"の方針に準じて,一般病床については,(1)人口30万以上の市は人口万対55床,(2)人口10万以上の市は50床(3)人口5万以上の市は40床,(4)人口5万未満の市町村は35床と決められており,また,結核病床は人口万対25床,精神病床は20床と定められている。
このため,厚生省は近く医療審議会を開催して,昭和42年1月以降の病床算定基準を諮問することになつているが,日本医師会はこのほど全国の病床の地域別分布状況と厚生省の人口割り必要病床数(病床算定基準)との比較結果をまとめて,現在の厚生省基準の批判を行なつた。日本医師会の意見は,要約すると,厚生省の病床算定基準は,病院の病床だけを対象にしているが,実際には有床診療所の病床も考慮する必要がある。全国的に見ると厚生省基準よりも実際の病床数のほうが約12万床も多く,都道府県別に見てもほとんどの県が厚生省基準を上まわつており,ことに後進的な県では大幅に基準をこえている。
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