今月の主題
<話合い>神経筋疾患—最近の進歩
祖父江 逸郎
1
,
塚越 広
2
,
里吉 営二郎
3
,
佐々木 智也
4
1名大内科
2東大神経内科
3東邦大内科
4東大物療内科
pp.186-192
発行日 1966年2月10日
Published Date 1966/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201168
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神経筋疾患を社会全般のレベルでみると
佐々木(司会) きようは,遠いところをわざわざありがとうございました。神経筋疾患は,比較的最近注目され,いろいろな雑誌に解説が出ておりますけれども,これがどのくらい実在し,どの程度に重要なのかは,割合説明されていないですね。そういうことについて,祖父江先生からお願いいたします。
祖父江 まず頻度のことですが,わたしどもの方で,名古屋市におけるミオパチーの頻度を調べたことがあります。広い意味のミオパチー全体を合わせますと,大体10万:7という比率なのです。その中進行性筋ジストロフィー症が,大体40%を占め,それにつづいて多いのは周期性四肢麻痺で36%くらい。それから最近注目されてきている多発性筋炎が10%ぐらいです。それにつづいて重症筋無力症が8.8%といつたところです。ミオパチーについては文部省綜合研究班が作られていますが,約1700例のミオパチー症例の相対頻度が出ています。それによると進行性筋ジストロフィー症が45%,重症筋無力症20%,皮膚筋炎,多発性筋炎7.1%,周期性四肢麻痺13.7%といつた割合で,その他のものがわずかずつ含まれています。
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