グラフ
妊娠の血清学的診断法
松橋 直
1
1東大血清学
pp.1303-1306
発行日 1964年12月10日
Published Date 1964/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200590
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妊娠はだれでもいち,早く知りたい。いろいろな意味で……。しかし近ごろはその判断も簡単になつた。
受胎して胎盤が形成されると,その妊婦尿中に絨毛性ゴナドトロピン(HCG)が排泄されるので,これを処女のマウスやウサギをもちいて検定する生物学的妊娠反応が行なわれていた。ところが,血清学的反応の特徴は,微量の物質をごく特異的に検出できる点である。この事実をうまく利用すれば妊婦尿中のHCG検出はきわめて簡単に行なえるわけである。こうして生れたのが妊娠の血清学的反応である。これには,HCG血清をもちいて尿中HCGと寒天内沈降反応や補体結合反応で直接に検出するものと,HCG結合粒子を抗HCGが凝集するのを,妊婦尿のHCGで抑制するものとがある。いずれも,最終月経開始後40〜50 日で診断ができ,的中率は95〜99%という。
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