アウトサイダーの窓
医療の盲点
小林 文男
1
1朝日新聞調査研究室
pp.620-621
発行日 1964年7月10日
Published Date 1964/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200387
- 有料閲覧
- 文献概要
◆現状は治療一辺倒
私たちが,いつも健康でありたい,という願いは,医学の目標とも一致するはずである。したがつて医学の目標と,私たちの願いが,完全に統合した形におかれている医療制度こそ,医療の理想といえるわけである。
ところがこうした立場から検討すると,日本の現状は,その理想とははるかにかけ離れているようだ。 みんなが健康で楽しくあるためには,みんなが病気にかからないことである。そしてそのためには,まず,みんなが病気にかからないための施策,つまり予防医学の徹底が必要といわねばなるまい。そこで,こうした立場からみると,いまの医療制度も,また現代医学も,ともに完全とはいえないようである。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.