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重症急性呼吸器症候群(SARS)―これまでにわかってきたこと
岡部 信彦
1
1国立感染症研究所感染症情報センター
pp.2116-2121
発行日 2003年12月10日
Published Date 2003/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107441
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SARS発生のはじまり
中国広東省では,2002年11月頃より非定型肺炎の多発があり,2003年3月までに約300例の患者と5名の死亡が報告され,当初これはクラミジア肺炎によるものであると中国当局はみなしていた.
2003年2月19日には,香港において広東省に近い福建省から戻った親子2名よりトリ型インフルエンザH5N1が分離された.1名は死亡している.これは1997年香港でのヒトにおけるH5N1流行以来,再びヒトから分離された事例であり,広東省を起点とした新型インフルエンザ大規模流行(influenza pandemic)の前兆ではないかと世界中のインフルエンザ関係者の関心を集めた.
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