特集 消化器薬―新時代の治療指針
肝胆膵疾患
自己免疫性肝胆疾患
高野 啓子
1
,
佐伯 千里
1
,
銭谷 幹男
1
1東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科
pp.76-80
発行日 2014年1月10日
Published Date 2014/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107276
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ポイント
◎自己免疫性肝胆疾患は稀な疾患であるが,適切な初期治療で予後が改善する可能性が高い.原因不明の肝障害ではその存在を考慮し,的確に診断し治療することが重要である.
◎自己免疫性肝炎の第一選択はステロイドである.十分な初期投与量で開始し,慎重に時間をかけ漸減する.再燃に気をつけながら最低2年は維持療法を続ける.
◎原発性硬化性胆管炎の第一選択はUDCAである.治療反応性は良好だが,治療抵抗例では肝硬変に至る前に門脈圧亢進症状が出現することが多い.進行例では移植を考慮する.
◎PSCは薬物療法が奏功しにくい.合併症が多く,進行症例は胆管拡張術さらには移植が検討されるため,専門医へコンサルトすることが望ましい.
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