連載 医事法の扉 内科編・22
無診察治療等の禁止
福永 篤志
1
,
松川 英彦
2
,
稲葉 一人
3
1国家公務員共済組合連合会 立川病院脳神経外科
2国家公務員共済組合連合会 立川病院内科
3中京大学法科大学院
pp.1822-1823
発行日 2012年10月10日
Published Date 2012/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106213
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医師法20条は,原則として,患者の診察をせずに治療や診断書等の交付を行ってはならないとし,例外的に受診後24時間以内の死亡については死亡診断書を交付できる旨を定めています.違反すると50万円以下の罰金が科せられます(同33条の2第1号).保険医に対しても適確な診断と適切な診療が求められています(保険医療機関及び保険医療養担当規則12条参照).今回は,いわゆる電話診察が許されるのか,自分が診察していない,ほかの医師の患者の診断書を交付できるのか,受診後24時間を過ぎた死亡患者の死亡診断書を交付できるのかについて,それぞれ検討したいと思います.
まず,電話診察についてです.電話診察とは,患者あるいはその家族からの電話相談に対し医学的アドバイスを行うことをさします.インターネットやメールなどでも同様です.単なる説明であれば許されると思われますが,具体的に薬名を挙げて内服するように指示を出すことや,受診を促さず自宅療養を指示することなどはどうでしょうか.
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