今月の主題 呼吸不全の診療
扉
阿部 直
1
1東海大学医学部内科学系呼吸器内科
pp.1341
発行日 2010年8月10日
Published Date 2010/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104555
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呼吸不全に対する在宅酸素療法が四半世紀前に導入されて以来,気管挿管せずにマスクを用いて行う非侵襲的陽圧換気療法(NPPV:noninvasive positive pressure ventilation)の普及,人工呼吸器の進化,新型インフルエンザに対する体外式膜型人工肺(ECMO:extracorporeal membrane oxygenator)による治療成功例の報告,また,パルスオキシメータ,血液ガス分析装置の普及など,最近の治療・検査方法の進歩にはめざましいものがある.
本特集では,研修医・レジデント,第一線で診療に従事している医師・医療関係者の方々が呼吸不全の基本的事項からup-to-date な内容までを網羅的に理解しやすいように企画した.呼吸不全の病態生理を理解したうえで呼吸不全の診療ができるように,呼吸不全と関連する病態生理として,低酸素血症,高炭酸ガス血症,酸塩基障害,右心不全・肺高血圧症などについての項目を設けた.また,読者が呼吸不全の実地診療に本特集を活用できるように,急性,慢性を問わず,呼吸不全を招く代表的疾患を取り上げ,胸部単純X線写真,胸部CTを含めて症例を簡潔に提示するようにした.さらに,最近のトピックスとして,新型インフルエンザ肺炎,非侵襲的陽圧換気,新しい理学療法,およびECMOを取り上げた.執筆は各分野のエキスパートの先生方にお願いした.
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