今月の主題 実践! 糖尿病診療
扉
山守 育雄
1
1名古屋第一赤十字病院内分泌内科
pp.959
発行日 2008年6月10日
Published Date 2008/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103372
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
近年,世界中で糖尿病が激増し,医療経済上も大きな課題となっている.国際連合は2006年,毎年11月14日を世界糖尿病デーと位置づけ,全世界が糖尿病制圧に向かって努力することを呼びかけた.患者数の増加に伴い,一般医家の外来を受診する糖尿病患者数も年々増加を続けているものと思われる.また,メタボリックシンドロームへの早期対策により,将来の医療費節減につなげることを目指して,今年度から特定健診・特定保健指導が開始されたが,その結果,これまで未診断であったり,未治療であった糖尿病患者の掘り起こしにより,受診者数の大幅な増加も予想されている.重症化予防の観点からは大いに歓迎すべきことではあるが,一方でこれを受け入れる側の医療供給体制の課題も,今後明らかになってこよう.
こうした糖尿病患者数の増加は,製薬企業にとっては大きなビジネスチャンスであり,事実,糖尿病治療薬の市場規模は急激な拡大をみせている.さらに今後数年のうちには,新しい作用機序による各種新薬の登場も予想されており,今や糖尿病治療薬は百花繚乱の観がある.インスリン製剤にもさまざまな進歩がみられ,ここ数年のうちには治療風景が大きく様変わりしていくことが予想される.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.