特集 一般医のためのエコー活用法
Ⅲ.心臓
心エコーの適応(と他のモダリティ)
心電図異常
鈴木 真事
1
1東邦大学医療センター大橋病院臨床検査医学
pp.68-71
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103046
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心房細動
心房細動は日常しばしば遭遇する心電図所見の1つであり,その頻度は加齢とともに上昇する.さらに脳塞栓症などの発症の頻度も高いことがわかっており,治療の方針の決定に心エコーは必須である.
■心エコー検査の進め方
左房,右房の拡大の程度,僧帽弁狭窄や閉鎖不全の判定,左房内のもやもやエコーや血栓像の検索などを焦点に観察する.左房の拡大を伴わなければ,治療により洞調律に復帰する確率も高い.左房の大きさの判定は,通常の左室長軸断層像のみでなく,心尖部アプローチによる断面でも確認すべきである.左房が拡大すると血流が停滞し,血栓を形成しやすい状態になる.特に左心耳には血栓ができやすいので,注意して観察する.通常の経胸壁心エコーでは左心耳の描出は困難であるが,最近の装置を使用すればある程度の描出は可能であり,左心耳の血栓を証明することもできる(図1).血栓がないことを証明するのは困難であるが,左心耳の血流や大きさを参考に,ある程度の推定はできる.除細動のための血栓検索目的で依頼されるケースについては,やや侵襲的ではあるが経食道心エコーのほうが左心耳の血栓の有無の判定には適している(図2).
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