特集 提言—あすの公衆衛生
口腔保健
飯島 洋一
1
Youichi IIJIMA
1
1長崎大学歯学部
pp.25-27
発行日 1993年1月15日
Published Date 1993/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902934
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◆社会の変動と安定
口腔領域の4大主要疾患(う蝕・歯周疾患・不正咬合・顎関節症)のうち,う蝕ならびに歯周疾患の発現には日常生活習慣との関連が強く認められている.この普遍的な2大疾患は,いわゆる習慣病の一種である.すなわち,う蝕の発現と進行に直接的に関与する糖質の摂取は,間食さらには食生活が,歯周疾患の発現と進行には日常の歯口清掃習慣の良否が,ポイントとなる.この意味において,小児を中心としたう蝕予防と,成人を中心とした歯周疾患の予防は,歯科公衆衛生の重要なテーマであり続けると思われる.習慣病である2大疾患の予防という面から将来の公衆衛生の方向性を考える時,変化しつつある今の社会を念頭におく必要がある.と同時に,社会には安定への根強い願望もある.これら両面から明日の歯科公衆衛生のあり方について考察をする.
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