連載 衛生行政キーワード・113
歯科口腔保健の推進に関する法律
高田 淳子
1
1厚生労働省医政局歯科保健課歯科口腔保健推進室
pp.63-65
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208593
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法律の背景等
歯科保健活動は,大正時代から啓蒙活動として行われており,昭和3(1928)年に6月4日を「ムシ歯予防デー」,昭和33(1958)年に6月4日から10日までを「歯の衛生週間」として,普及活動が行われてきた.
当初,むし歯予防を中心とした母子歯科保健活動が行われていたが,次第に,成人を対象とした歯周病予防等と対象も内容も広がりをみせてきた.これらの成果もあり,小児のむし歯は減少し(図1),8020の達成者は増加するなど(図2),歯・口腔の健康状態は着実に向上している.20歳以上で過去1年間に歯科検診を受けた者の割合は,国民健康・栄養調査によれば,2004年・32.2%,2009年・34.1%,2012年・47.8%と増加し,歯科診療所を受診する高齢者は増加している.一方で,歯が多く残っている高齢者の増加に伴い,歯周病の罹患率が増加している(図3).
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