特集 国立保健医療科学院への期待・提言
研修派遣元からの期待—東京都
阿部 弥栄子
1,2
1東京都衛生局総務部
2東京都府中小金井保健所
pp.171-173
発行日 2002年3月15日
Published Date 2002/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902688
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先頃,厚生労働省から「保健専門技術職員の効果的活用に関する検討会報告」(委員長:竹中浩治)が公表された.保健・医療・福祉のパラダイム・シフトが進むなか,自治体の保健専門技術職員に共通する役割を再確認し,新しい時代に対応するための能力開発について検討した意欲的・かつ大胆な「今後の人づくり」提言であり,これに応える全国の動きが期待されるところである.
さて,現行の国立公衆衛生院の教育目的をみると,「公衆衛生に関する業務に従事している技術者や,これから従事しようとする技術者に対し,専門的な教育を行い,わが国の公衆衛生の向上を図ること」としている.また,専攻課程の看護コース(1年間)の目的としては「対人保健分野における公衆衛生看護の幹部技術者として必要な専門的知識,技術,技能を修得させる」とされ,3年以上の実務経験を有する者とされている.卒後教育機関として分野の異なる16の研究部門をもち,学際的・実践的であることを明確な教育方針として掲げ,60数年の伝統をもった教育・研究機関は唯一国立公衆衛生院のみである.最近では看護系の大学・大学院も多くなってきたが,「幹部技術者の育成」を明確にした教育方針は高く評価されており,各自治体の研修制度にも位置づけられたものとなっている.
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