特集 健康日本21と職場の健康管理
健康日本21実行に向けた社内体制づくり
浦野 澄郎
1
1松下電器健康保険組合松下健康管理センター
pp.26-29
発行日 2002年1月15日
Published Date 2002/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902650
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生活習慣病は栄養,運動,休養に関する日常の不適切な生活習慣が大きく影響するが,生活習慣の是正により予防可能とされている.そのためには一次予防に重点をおいた生活習慣病対策の推進すなわち健康日本21が必要である.健康日本21は,学童時代を含めた全ライフサイクルを通じての生活習慣病対策であるが,わが国の小児のコレステロール値が両親のコレステロール値と正の相関関係にあるという結果1)は,とりわけ大人に対する対策の重要性を示している.全人口の83.1%が被雇用者2)であることを考慮するならば,健康日本21における職域の果たす役割は大きい.一方,就業人口の高齢化が進み,健診有所見者の就労が増えることは,企業経営の観点からも大きな問題である.労働組合においては従業員の健康獲得が最優先課題であることは言うまでもない.また,健康保険組合(以下,健保組合)は年々医療費が増大し厳しい運営を強いられているが,安定した財政基盤の上に立って被保険者の健康を守るという使命に邁進するためには,一次予防対策を行い,いっそうの健康増進を図らねばならない.
当職域では,健保組合から呼びかけた健康日本21に対して,会社,労働組合の賛同が得られることになり,「健康松下21」として三者で全社的に取り組むこととなった.本稿では当職域における取り組みの経過,社内体制作りについて述べる.
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