特集 公衆衛生/予防医学と分子生物学
感染症予防への分子生物学的アプローチ—B型肝炎の感染源の同定
飯野 四郎
1
1聖マリアンナ医科大学付属難病治療研究センター
pp.821-824
発行日 1995年12月15日
Published Date 1995/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901384
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B型肝炎ウイルス(HBV)は通常,HBVに感染している人の血液中に存在するものであり,その感染は血液を介してのものである.それも,感染者(通常HBVキャリア)の血液がほかの人の体内へ皮膚を通して侵入した場合に起こるものである.このことは感染が非常に起こりにくいものであることを示している.この形式の感染は輸血・血液製剤による感染や不潔な医療行為などによるもので,いずれも日本では過去のものとなっている.また,これに類するものとしては刺青がある.
感染様式の2番目は母子感染であるが,現在は昭和61年に開始されたB型肝炎母子感染防止事業によって95%以上が予防に成功しており,ほとんど問題とはならなくなっている.
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