活動レポート
地域組織との協力による保健所の健康教育の活性化
森 智代
1
,
杉澤 秀博
2
1元東京都豊島区長崎保健所
2東京都老人総合研究所保健社会学部門
pp.699-703
発行日 1995年10月15日
Published Date 1995/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901357
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保健所で実施している健康教育は必ずしも効果的に行われているとはいえない.例えば問題点として,受講者数が少なく,中途で脱落していく者も多いこと1),広報紙が発行されていても,単に事業予定のお知らせであったり,一般的な啓蒙記事が掲載されるだけに終わっていることも少なくないことなどが指摘されている2).効果的に保健活動を行うには,住民個々に働きかけるだけでなく,町内会,自治会などの地域組織の協力をあおぎ,その組織を活用することが肝要であるといわれている2).ある保健所では,老人クラブ,婦人会,地域医師会,PTAなどに呼びかけ,健康づくりの核となる組織を発足させることによって,健診受診率の向上や各種の健康教育の活性化を図ったという事例が報告されている3).筆者の1人は所長として東京都区部にある保健所に着任して以降,地域組織を活用することによって,健康教育の充実に取り組んだ.本報告の目的は,その経過および健康教育への効果を整理・紹介することにある.様々な特性をもつ地域での活動事例の集積は,保健所と地域組織との協同のあり方を考える際に重要な情報を提供することになろう.
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