特集 現代の予防接種—その意義と課題
国際交流と予防接種—海外渡航者のために
鈴木 英明
1
1国際協力事業団医療協力部医療協力第一課
pp.542-545
発行日 1995年8月15日
Published Date 1995/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901320
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はじめに
わが国の政府開発援助(ODA)の予算規模は年々拡大しているが,それに伴って国際協力事業団(JICA)ベースで派遣した専門家および青年海外協力隊員の数も増加傾向にあり,昭和60年度から平成2年度まで5年間の累計は,それぞれ33,572人と10,444人であった.これとは別に,非政府ベース(NGO)で海外援助や交流を行っている方々,ビジネスで海外勤務をされている方々やその家族などを含めれば相当数の日本人が海外各国に渡航しており,今後もこの傾向が継続すると考えられる.そして,これらの渡航者共通の課題のひとつとして,予防接種が挙げられる.
JICAでは,途上国に派遣される専門家に対して派遣前研修を行っており,赴任国情報,事業概要,安全対策などとともに,途上国で特に重要な健康管理についての研修を行っている.この一部に予防接種が含まれていて,一般講義だけでなく,個別相談で,任国や家族構成などの個別事情に応じた事前の予防接種のプラン作りに応じている.
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