今月の主題 海外旅行と臨床検査
話題
海外渡航者への予防接種の現状と問題点
髙山 直秀
1
Naohide TAKAYAMA
1
1東京都立駒込病院小児科
キーワード:
個人防衛
,
同時接種
,
渡航者外来
Keyword:
個人防衛
,
同時接種
,
渡航者外来
pp.1287-1290
発行日 2006年11月15日
Published Date 2006/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100759
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1.はじめに
近年,日本人の海外渡航者数は著しく増加し,渡航先も欧米のみならず,アジア,アフリカ,南米など全世界のすみずみにまで及んでいる.世界各地の気候風土がそれぞれ異なっているように,旅行・出張・赴任先の国々でみられる流行病や医療事情にも様々な相違がみられる.しかし,多くの場合,特定地域での流行病の種類や流行状況に関して正確な情報を得ることはたやすくはない.また,旅行・出張・赴任地域によっては医療事情についても十分な情報が得られない場合もあり,こうした情報不足が海外渡航者,特に子供を持つ海外赴任者の不安材料の一つとなっているように思われる.不案内な外国で病気になる不安を少しでも軽減するために,出発前に可能なかぎりの予防接種を済ませておきたいとは誰しも望むことであろう.しかし,実際に出発までにワクチン接種を済ませることは必ずしも容易ではない.本稿では海外渡航者への予防接種の現状を述べ,その問題点について考えてみたい.
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