調査報告
老人医療費の高額地域と低額地域の比較
森 満
1
,
鈴木 恵三
2
,
妹尾 秀雄
3
,
後藤 良一
4
1佐賀医科大学地域保健科学講座
2穂別町ふれあい健康センター
3北海道保健環境部
4北海道釧路保健所
pp.280-284
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901246
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目的
わが国の1人当たり老人医療費には地域格差がある1).例えば,都道府県別にみた昭和63年度の1人当たり老人医療費は,北海道では856,311円で最も高く,最も低い県の一つである静岡県のそれ445,532円の2倍弱となっている1).
筆者らは,都道府県別の諸率を用いて,1人当たり老人医療費の都道府県格差と相関する要因を検討したところ2),次のような要因と有意な相関がみられた.すなわち,1人当たり老人医療費は,①医療供給量を表す病床数,医師数と正相関,②健康水準を表す平均寿命と負相関,③世帯人員数,1世帯当たり室数と負相関,④地域や個人の経済力を表す1人当たり県民所得と負相関,⑤その他,人工妊娠中絶率,自殺率,犯罪発生件数指数と正相関していた.
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