調査報告
中国河北省における医師,看護婦の勤務状況および医療に関する意識調査
菊池 祥子
1
,
伊関 憲
2
,
田勢 長一郎
3
,
田中 正敏
1
1福島県立医科大学衛生学教室
2福島県立医科大学衛生学基礎上級
3福島県立医科大学麻酔科
pp.212-215
発行日 1995年3月15日
Published Date 1995/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901228
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はじめに
中華人民共和国(以下,中国という)は,長い歴史の中で,漢方医学,針灸など伝統医学をはじめとして,「はだしの医者」の存在があり,近年には西洋医学の導入など様々な変革を遂げ,特に文化大革命後の医学教育,医療体制,保健などの発展はめざましい.中国医学の歴史や医療システムについての報告は多数みられるが,その医療体制の中で,実際に,医療に携わっている医療従事者の状況についてはあまり知られていない.
今回,中国河北省の病院にて医師,看護婦に,勤務状況および医療問題の意識調査を行う機会を得た.今日わが国においても,医療従事者,特に看護婦の夜勤などの勤務状況の改善,そして医療問題として,インフォームドコンセント,QOL(Quality of life),癌告知の問題,脳死について診断基準や倫理問題,臓器移植の是非などが日々問われている.隣国でありながら文化,政治,経済,倫理観など,さまざまな面でわが国と異なっている中国における医師や看護婦の状況ならびに医療の現状について述べる.
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