特集 医療の機能分化と連携
訪問診療の今後
桜井 秀也
1
1東京都医師会
pp.160-164
発行日 1995年3月15日
Published Date 1995/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901214
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はじめに
高齢化社会の進展とともに,在宅医療の問題がクローズアップされてきたことは今さら言うまでもない.それを裏づける形で平成4年の医療法の改正の中で,医療の提供の場として「居宅」が明記された.訪問診療は「居宅」における医療,すなわち在宅医療を実施する上での最も重要な手段であるとの認識にたって,ここでは訪問診療の問題を在宅医療全体の問題としてとらえていきたい.さらに保健・医療・福祉の連携という総合的な見地から問題を考えるために,狭義の在宅医療だけでなく,在宅介護などの問題なども含めて考えていきたい.そこで,はじめに言葉の定義の問題,在宅医療と施設医療の関連性,在宅医療と診療報酬点数について述べる.次に,実際に個々の在宅医療に携わるのは一人ひとりの医師であるが,保健・医療・福祉の連携という見地から考えると,その推進をバックアップしていくためには,医師会という組織としての在宅医療への対応が不可欠であるとの考えから,本来は患者さんを中心に置くべきであるが,医師会の立場からという意味で,在宅医療を行う医師(医師会)を中心に置いた上で,4つの関わり合いについて述べてみたい.
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