報告
大阪神経難病医療福祉相談会の実績とその意義の検討
黒田 研二
1
,
高橋 光雄
2
,
中田 俊士
3
,
多田羅 浩三
1
1大阪大学医学部公衆衛生学教室
2近畿大学医学部神経内科
3大阪府立病院神経内科
pp.71-75
発行日 1995年1月15日
Published Date 1995/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901191
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はじめに
わが国の難病対策は,昭和47年10月に厚生省においてまとめられた「難病対策要綱」にもとづき,①調査研究の推進,②医療費自己負担の解消,③医療施設の整備を柱として実施されてきた.平成元年度からは,④難病患者医療相談モデル事業がさらに施策の柱として追加され,平成3年度からこの事業は「難病患者地域保健医療推進事業」と名称を変えて実施されている.
厚生省の実施要綱(平成4年4月9日付け通知)によれば,難病患者地域保健医療推進事業は,医師,看護婦,ケースワーカー等によって構成される総合的・専門的な相談班が適当な会場を設定して行う医療相談事業と,寝たきり等で受療が困難な在宅の難病患者に対し,専門医,主治医,保健婦,看護婦,理学療法士等により構成された診療班が患者宅を訪問して,患者の病状に応じた診療,看護および療養上の指導を行う訪問診療事業から構成されている.これらの事業は,患者や家族の相談ニーズに応え疾病等に対する不安の解消を図ること,地域における在宅医療を促進することを目的とし,実施主体は都道府県である.
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