保健行政スコープ
わが国における廃棄物対策の動向
中村 健二
1
1厚生省生活衛生局水道環境部計画課
pp.896-898
発行日 1994年12月15日
Published Date 1994/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901172
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1.はじめに
わが国においては,廃棄物の減量化・再生利用の推進,適正処理の推進,最終処分場等の廃棄物処理施設の確保等を目的とした「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の抜本的な改正が平成3年に行われるとともに,同年に「再生資源の利用の促進に関する法律」,平成4年に「産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律」,平成5年に「エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法」の制定が行われるなど法制上の対応が進められており,地方公共団体や事業者団体等においても,それぞれの創意工夫を生かした廃棄物の減量化・再生利用,適正処理にむけた本格的な取り組みが開始されている.
これらの取り組みの進展にもかかわらず,経済発展に伴う生産・消費の拡大,生活様式の多様化,消費意識の変化,経済のソフト化・情報化に伴い,廃棄物の排出量は増加し,その種類も多様化が進んでいる.他方,最終処分場をはじめとする廃棄物処理施設の確保が困難となっており,また不法投棄等の不適正な処理が大きな社会問題となるなど,廃棄物の処理を取り巻く状況はきわめて深刻なものがある.
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