連載 All about 日本のワクチン・18
麻しん風しん混合ワクチン—小児を中心に
原木 真名
1
1まなこどもクリニック
pp.628-631
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401210319
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
1.当該疾患の発生動向
1)麻疹
麻疹は古くから「命定め」といわれて恐れられてきた疾患である。日本では2006年から麻しんワクチンの2回接種が導入され、さらに2008年から5年間の時限措置で、3期4期のワクチン接種を行うなど、麻疹排除に向けた取り組みがされた結果、2015年に世界保健機関(World Health Organization: WHO)により麻疹排除が認定された。その後も海外からの輸入例による麻疹の小流行が見られ、2019年には744人の報告があったが、COVID-19の流行で海外との往来がなくなった2020〜2022年は1桁の発生数であった。2023年になり、海外からの輸入例が再び増加している。海外では、COVID-19の流行により、東南アジア地域、アフリカ地域を中心にワクチン接種率が低下し、麻疹の患者が激増している。今後、国内でも、麻疹の輸入例による流行が懸念される。
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.