特集 アレルギー疾患対策
多職種連携による小児のアレルギーケアの推進
楠 隆
1,2
1滋賀県立小児保健医療センター小児科
2滋賀県立小児保健医療センター診療局
pp.606-610
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208945
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
アレルギー疾患の小児は,病気を抱えながらも,普段の日常生活を病院ではなく,家庭,学校,幼稚園,保育所など病院の外で過ごす.そこには,診察室の短時間の診療では見えてこないさまざまな悩みや問題点がある.これからの小児医療スタッフ,とりわけ小児アレルギーに関わる者には,病院でアレルギー児が受診するのを待っているだけではなく,病院を飛び出して日常生活の中にいる小児を捉え,問題点を抽出し,そこへ介入していく姿勢が必要である.そのためには,医師の診察のみでは不十分である.看護師,薬剤師,管理栄養士,さらには保健師,学校・園・保育所関係者,行政関係者などを幅広く巻き込んだ多職種連携が必要である.
幸い,わが国には,小児アレルギー疾患の専門知識と患者指導のスキルを習得する専門資格である小児アレルギーエデュケーター(pediatric allergy educator:PAE)制度があり,本資格を獲得した医療スタッフが全国で活躍している.本稿では,PAEの活動を軸にして,多職種による小児のアレルギーケアの実態と課題を考察する.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.