特集 感染症に関するサーベイランス
扉
砂川 富正
1
1国立感染症研究所感染症疫学センター第二室
pp.5
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208806
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感染症サーベイランスは,公衆衛生の重要な事業です.わが国では,国内の感染症に関する「情報の収集」「公表」「発生状況および動向の把握」を目的として,「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症法)の第12〜16条に基づいて実施されています.具体的には,診断医から届出がされた患者情報の内容を保健所が確認したうえ,感染症サーベイランスシステム(NESID)へオンライン上で入力し,自治体内における地方感染症情報センターがデータを精査・確認し,国レベルでは国立感染症研究所内の感染症疫学センターで情報を精査・分析しています.
病原体情報に関しては,2016年4月1日に施行された改正感染症法の中で法的に明文化され,強化されました.具体的には,全ての感染症の病原体について都道府県知事が患者などに対して,検体の採取などに応じるよう要請できるようになり,また,医療機関などに対しても保有する検体の提出を要請できるようになりました.季節性インフルエンザの定量的な病原体情報を得られる体制が整い始めています.
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